はじめに
英語科目は文系にとっても理系にとっても欠かすことのできない主要科目です。
国公立大学の英語のレベルは、およそ英検2級以上とされており、教科書の応用レベルと高いレベルを求められます。
今回は”東京大学・京都大学”の英語の傾向をご紹介します。
東京大学
試験時間は120分。そのうち30分はリスニングの時間となります。
また正式なデータではないですが、各予備校の発表によると120点満点だとされています。合格点は東大新聞のデータによると毎年75〜85点の間で推移しています。
試験範囲は以下の通り。長文は全体の約20%と少ない傾向にあり、総合的な学習能力に加えてスピード感が最も重要となっています。
1A | 要約(配点:10点) |
1B | 空欄補充(配点:10点) |
2A/2B | 英作文(配点:30点) |
3 | リスニング(配点:30点) |
4A | 文法問題(配点:5点) |
4B | 和英問題(配点:10点) |
5 | 長文読解問題(配点:25点) |
・1A 要約
ここでは、約300~500単語の英文を60~120字の日本語に要約する問題が出題されます。精読力と読解力が必要になります。
・1B 空欄補充
500単語以上の英文の中で、空欄にになっている箇所にに文章が自然な流れになるように選択肢の英文・単語を挿入する問題です。読解力はもちろん、総合的な文法力・単語力・熟語力が必要となってきます。
・2A/2B 英作文
近年は自由英作文が1題、和文英訳が1題出題されています。自由英作文は例年60〜80語程度となっています。出題テーマは、題がある形式や、写真やイラストなどから描写する形式など、毎年様々となっています。
難しい単語や文法を使うことよりも、重要なのは伝わる英文を書くこと。単語や文法に加えて熟語を覚えておくと便利です。書いた英文は先生などにしっかり添削してもらうようにしましょう。
・3 リスニング
約500単語の英文が3回流れます。各設問につき記号問題が5問で、それぞれの問題の選択肢は5つとなっています。主に会話文や講義式の内容、さらには複数人が1つのテーマをもとに討論している音声が流れます。会話文は基本的に3人~4人で話していることが特徴です。
・4A 文法問題
文法問題では、英語の長文の中にいくつか下線が引いてあり、その中から誤っているものを選ぶ形式です。文法的におかしい部分を5箇所の中から選び、近年だと自分で選ぶことも多いです。
単語や熟語・文法や文脈の正確な知識はもちろん、普段から慣れておくことが必要な問題で、似たような問題を沢山解くことが重要です。
・4B 和訳問題
英文の中にいくつか下線が引いてあり、その部分を和訳する問題が出題されます。典型的な問題で、普段から和訳問題が多く掲載されている問題集を解いておくといいでしょう。
・5 長文読解
約800単語の長めの長文が出題されます。小説や物語がよく出題される傾向があります。小説や物語は意味を理解しにくいことも多いため、普段から読み慣れておくことが必要です。
京都大学
こちらも試験時間は120分。
配点は150満点で、合格点は約6割の90点以上となっています。
京都大学は長文読解と英作文が中心と特徴的な問題となっています。高度な精読力に加えて、日本語力も重要となっています。思考力や表現力まで問われる問題となっている為です。
出題範囲は以下の通り。東京大学とは異なり、精読が求められる傾向があります。
問1 | 長文読解(配点:50点) |
問2 | 長文読解(配点:50点) |
問3 | 和文英訳(配点:25点) |
問4 | 自由英作文(配点:25点) |
・問1 長文読解
約500~600単語の長文から、和訳する問題が3問出題されます。長文の趣旨を正確に理解したうえで、正確に日本語へと変換する必要があります。ここで重要なのは、ここでは何が言いたいのかを考えることです。
・問2 長文読解
約600~700単語の長文を要約する問題です。筆者が何を言いたいのか?を考えて要約することが重要です。塾や学校の先生に添削を十分にしてもらって、対策しましょう。
・問3 和文英訳
独特な言い回しが多く、和文和訳したうえで英訳をする必要があります。たとえば、「目の保養になる」という日本語独特の言い回しなどを英語で訳さなくてはなりません。正確な文法と単語の知識で日本語を正確に理解し表現することが大切です。
・問4 英作文
過去に出題された主な形式は、会話文途中のセリフを考えるというというものです。20単語程度で書くものが2~3問出題されました。しかし近年は100単語で、テーマに対して意見を書く問題が出題されました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?日本のツートップである両校の問題傾向がかなり異なっていて、驚いた方もいるのではないでしょうか。
大学の出題傾向は「どういう能力を持った学生が欲しいか?」という、大学からのメッセージのようなものです。大学ごとに求めている学生像が異なっているからこそ、自分の適性を見き分けたうえで受験校を選ぶことも必要です。
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